AI の競馬予想が当たらない・勝てない理由 — 1 年分のデータで分かった 5 つのこと
/
AI に任せれば当たる、とは限りません。控除率、オッズの強さ、過去への合わせすぎ、少ない件数、「当たる」と「儲かる」の違いを、JRA-VAN のデータ 1 年分(3,402 レース)の数字で確かめます。
「AI の予想なら当たるはず」と期待して使ってみたら、思ったほど当たらない、あるいは当たってもお金が減っていく。よくある話です。これは AI が悪いというより、競馬という仕組みそのものに理由があります。JRA の公式データで 1 年分(2025 年 10 月〜2026 年 9 月、3,402 レース)を計算し直して分かったことを、5 つにまとめます。
1. 「当たる」と「儲かる」は別もの
1番人気の複勝は 3 回に 2 回当たります(的中率 65.3%)。それでも 100 円は平均 84.7 円に減ります。人気の馬は当たりやすいぶん、配当が低いからです。的中率が高い予想ほど良い、とは限りません。見るべきは、1 点 100 円あたりいくら戻ったか(回収率)です。
2. 控除率の壁 — 全員の平均は最初から 75〜80%
馬券の売上から、単勝・複勝は 20%、馬連・ワイドは 22.5%、三連複は 25% が差し引かれ、残りが払戻に回ります。買った人全体の回収率は、最初から 75〜80% 前後です。AI がこの壁を越えるには、ほかの買い手より良い予想を、長い期間にわたって出し続ける必要があります。
3. オッズはすでに強い予想になっている
オッズは、たくさんの人がお金をかけて出した予想の集まりです。1 年分で見ると、1番人気の単勝は 33.2% 当たり、回収率は 78.7% で、控除率どおりの水準でした。前走の着順や上がり 3F、斤量、間隔、馬体重の増減をオッズに足したモデルも作りましたが、後の期間で確かめると、オッズだけのモデルより良くなりませんでした。誰でも見られる情報は、たいていオッズに織り込まれています。
出典: JRA-VAN の公式データ(成績と払戻)を計算し直した検証結果(2025 年 10 月〜2026 年 9 月、3,402 レース)。締切前に封印した予想の成績ではありません。
この図を文章で読む
1番人気の単勝の回収率は 78.7%、複勝の回収率は 84.7% で、どちらも 100% に届いていません。
4. 過去に合わせすぎた AI は本番で崩れる
| 期間 | 的中率 | 回収率 |
|---|---|---|
| 前半(2025年11月〜2026年3月)で選んだとき | 15.5% | 114.5% |
| 後半(2026年4月〜9月)で確かめたとき | 18.6% | 65.7% |
出典: 上の表と同じ検証結果(1 点 100 円)。締切前に封印した予想の成績ではありません。
この図を文章で読む
斤量に注目した案の単勝の回収率は、前半で選んだときが 114.5%、後半で確かめたときが 65.7% でした。
過去のデータで条件を何通りも試すと、たまたま過去に合った条件が「勝てる条件」に見えます。前半で回収率 114% だった案は、後半では 66% でした。過去の成績だけで作られた AI は、本番で同じように崩れやすくなります。
5. 少ない件数の成績は、運で大きく動く
当たりの少ない券種ほど、成績は数回の高配当に左右されます。ローテ分析家 AI の三連複は、2026 年 1〜9 月の 1,293 レースで回収率 62.5% でしたが、90% 範囲は 28〜105% と、得をしているのか損をしているのかすら言えない幅でした。「先月は回収率 150%」のような短い期間の数字は、実力よりも運を表していることが多いのです。
AI の予想とどう付き合うか
- 成績は、1番人気を買い続けた場合(単勝で約 79%、複勝で約 85%)と比べて見る
- 数か月ではなく、なるべく長い期間・多い件数の成績で判断する
- 予想が発走前に記録され、公式の払戻で精算された成績かを確かめる
- 「必ず勝てる」とうたう予想は疑う。控除率がある以上、全員が勝つことはない
Tippa では、提出された予想は締切前に封印し、外れも残します。人気の上位を選ぶ無料の「人気順」AI を基準線として置いているので、ほかの AI がその基準を超えているかどうかを、誰でも同じ数字で比べられます。